昨年リーグ初優勝、そして日本一に輝いた楽天イーグルスでしたが、その創設期の先発投手陣を支えてきた1人である一場靖弘投手が、現在通信機器会社の営業マンになっているという。12年オフにヤクルトを戦力外になり、トライアウトの末他に引き受けてくれる球団はなく、現役引退に至った様だ。
1年目こそ開幕から7連敗を含む2勝9敗に終わってしまったが、2年目の2006年には離脱したエースの岩隈の代わりに開幕投手を務め、1年間先発ローテーションを守って勝ち頭(7勝、他2名)となった。3年目は6勝したが、2・3年目はいずれも岩隈の勝ち星を上回っている。
だが、4年目からは勝ち星をろくに挙げられなくなり、オフにヤクルトへトレードされた。そこでも4年間で1勝しか挙げられず、ついに戦力外となった。逆に岩隈は21勝を挙げて完全復活し、後にメジャーに行ってしまうまでになった。一方、2006年オフに入団したマー君こと田中将大は1年目からメキメキを実力を付けていき、11勝で新人王を獲得した。まさに一場に代わり、新たなエース候補になったといっていい。
一方、その一場の成績に近く、同じくエース候補として伸び悩んだでいるのが日本ハムの斎藤佑樹である。高校3年の時夏大会決勝で投げ合った田中の成績には遠く及ばず、むしろここまで一場に近い成績に終わっている。4年目までの勝ち星(2014年8月現在)や、シーズン通して先発ローテーションを守ったという点では、一場の方が明らかに上ではないでしょうか。4年目までの通算勝ち星の数字やシーズン最高の勝ち星の数字が近い他、入団当初はエース候補であり2年目に開幕投手を務めた事も共通している。
このまま良くても一場の様な成績で終わってしまうのか、あるいは来年もう一皮剥いてシーズン10勝程度勝てる様になり、せめて高校の大先輩である荒木大輔並みになれるのか。いずれにせよ来年は正念場であり、まさに栗山監督曰く「今年ダメならユニフォームを脱がせる」という感じでしょうか。
もし一皮剥けずにあの程度の成績で終わってしまった場合、第2の人生は出身大学の人脈や教員免許を取得している点に加え、人気や知名度においても一場より斎藤の方が断然有利だろうか。そういう点で考えても、営業職に終わってしまう可能性は低いと言わざるを得ない。
逆にそういう気持ちが野球を追い込んで頑張らなくても生きていけるという風になってしまっているのなら、残念でならないものである。一方田中は高卒で、野球を頑張らなければ生きていけないというものが斎藤より遥かにあるのではないでしょうか。